新年、あけましておめでとうございます。いよいよ2018年の幕が上がりました。コンビニオーナーさんや店長さんは正月どころではなかったでしょうし、成人の日の3連休が終わるとようやくひと段落といったところでしょうか?これから1,2月は売上の厳しい月。どうぞ体調など崩さずに乗り切るようがんばりましょう。

さて、前回はパートアルバイトさんの面接と採用について「コンビニオーナー・店長がやってはいけないパート・アルバイト面接と採用➀」筆者なりのポイントを書いてみた。今回はもう少し、突っ込んだ形で応募者のタイプ別にやってはいけないポイントと筆者なりの考え方を書いていこう。

  長期で働ける人しか採らない

 まずは基本的な考え方から。コンビニオーナー・店長の主な仕事は何といっても「従業員教育」だろう。筆者はオーナーの仕事の8割方は「従業員教育」だと思っている。とにかく仕事を任せる。任せた仕事を一緒に検証し、いいところ、悪いところを指摘しながら教えていく。とにかくこの作業を絶対に怠ってはならないと考えている。

 レジや検品、品だしは1週間もあれば覚えられるだろう。それは先輩アルバイトさんやシフトリーダーに任せてもいいだろう。筆者が言っている「教育」とは作業の意味やこだわり、接客時の問題点やミス、不快な対応などをしっかりその場で教え込む。コンビニの仕事は奥が深い。だからその従業員さんがオーナーさんのお店で働く間は常にやっていかなければならないのだ。コツコツとひとつずつ積み上げていき経験や知識を身につけさせる。こうして「お店を任せられる従業員さんを育てる」ことがメインの仕事なのだ。

この積み重ねがお店の力になる。この力を作り上げることこそがコンビニオーナーや店長の仕事なのだ。

 そういった観点から考えれば短期間しか働けない応募者は採らない。例えば高校3年生や大学4年生。秋から来春までならというのは採らない。少なくとも1年以上お店で働ける環境の人がベターだろう。

学生アルバイトさんの通う学校はダブらせない

 求人広告を出すと立て続けに応募の電話が来たりする。そういう場合は得てしてお友達で応募というパターンが多い。友達だからバイトも一緒!なんて気持ちで応募してくるのだ。その友達同士を採用することは決して悪いことではない。場合によっては力を併せてお店をいい方向に引っ張ってくれる戦力になりうるからだ。ただ軽い気持ちでの応募なら同時に辞めてしまうリスクもある。そうさせないためにもオーナーや店長はいかに仕事に興味を持ってもらうかが腕の見せ所だ。

 例えばお友達同士で発注のカテゴリーを一緒にやらせたことがある。高校生の女の子二人に菓子売り場を任せるとあっという間にいい売り場になる。友達同士だから色んな意見を出し合い、手書きのPOPなども積極的に作ってくれる。オジサンであるオーナーさんや店長さんよりもはるかにいい売り場を作ってくれるのだ。その二人は高校卒業して進学しても続けてくれた。一人は6年間働いてくれたのだ。とても大きな戦力になった。

 ただし気をつけなければならないのはそのお友達同士が同じ学校であるならば、リスクを背負う採用になることを覚悟しておかなければならない。それはなぜか?

一番大きいのは学校行事だ。中間・期末テスト、修学旅行といった行事が入ると一遍に抜けてしまう。シフトを組むうえで大きなリスクが生じてしまうのだ。なので学生アルバイトさんは学校がダブらないように気をつけている。公立・私立高校、専門学生、大学生とバラエティに採用すれば、そうしたリスクは避けられるだろう。

 もう一つ付けくわえておくならば、特に都市部のお店は従業員さんが地方出身者に偏ると年末年始やお盆と言った時期に帰省で一気に抜けるリスクがある。普段は一人暮らしだから冬休みなんかは学校が始まるまで帰省なんて学生アルバイトさんもいる。その辺も面接時にどういった考えを持っているのか確認しておくべきだろう。

運動部バリバリ系は採らない

 運動部に属する学生アルバイトさんは体育会系だから礼儀や上下関係などしっかりしていそうだから魅力ではあるが、残念ながら勉強と部活、そしてアルバイトと三足のわらじを履きこなせる子はそうはいない。

 筆者も何人か採用したことはあるがまず3カ月も持たない。テスト休みも取らなきゃならんし、試合や大会が近づくと練習時間が長くなり遅刻しがちになる。それならいっそ大会が終わるまで休めばいいものをテスト休みももらって部活関係で休みもらってなんてなかなか言い出せない子が多い。当然休みが多くなると仕事の習得速度も遅くなりミスをしたりして自信を無くす。そりゃアルバイトが面白くなくなるは当然だろう。そうやって潰れていく子が多い。なのでお互いのため採用しないようにしている。

 同じ部活でも文化部に所属する子は結構両立できる子が多い。やはり運動部は体を動かすわけだから、いくら若いとは言っても夕方から10時までのアルバイトは体力的負担も大きいだろう。

ダブルワークの深夜勤務は基本的には採らない

全く採らない訳ではない。もう片方の仕事がどの程度なのかと勤務する時間帯によるのだが、ダブルワークとなるとどうしても深夜帯の希望者が多くなる。深夜帯の人材は非常に不足しているから喉から手が出るくらい魅力的なのだが、残念ながら「正社員」+「コンビニ深夜アルバイト」の組み合わせはやめておいた方が無難だろう。

中には土曜日だけとか金曜+土曜といった応募もあるだろう。その曜日だけスポットでシフトに空きがあるのならいいだろう。その従業員さんに大きなものを求めなければそれもいいと思う。

しかし深夜週3回4回となれば話は別だ。なぜならダブルワークくんは必ず「寝てしまう」からだ。筆者も深夜勤務の経験はある。夕方5時から翌朝11時まで。これを毎日繰り返してきたことがある。ハッキリ言ってしんどい(笑)。いつの間にか発注画面を見ながら寝てしまった経験は沢山ある。気が付くとデスクの上がよだれまみれになっていたことが数えきれないほどある(笑)。

やはりダブルワークくんが入っている日とそうでない日は朝出勤してきたときの店の状態が全く違う。察しの通り、ダブルワークくんがいる日は売り場がガタガタなのだ。同じ人件費がかかっていても出来栄えに差が出てしまうのならこれは問題だ。

ちなみに筆者は24時間年中無休のコンビニだけど、当店の1日の始まりは朝6時であることを意識付けさせている。朝の6時開店に向けての準備が深夜アルバイトさんの仕事であることを理解してもらい、品出しやフェイスアップなどを徹底するようお願いしている。

ダブルワークくんとシフトに入る相棒アルバイトさんも大きなストレスを抱えることになる。休憩時間に事務所に入ったまま朝まで出てこないなんてこともある。なんで自分一人でやらなきゃならないの?そんな疑問を持つのは当たり前。真面目にやっている従業員さんが辞めてしまう可能性だってある。そんな環境をオーナー・店長は絶対に作ってはいけないのだ。

ダブルワークでも「アルバイト」+「アルバイト」ならOKだ。ただし同業他社との掛け持ちは遠慮してもらっている。中には同じチェーンでもダメというオーナーさんもいらっしゃるだろうが、その辺は筆者は気にしていない。「アルバイト」+「アルバイト」がOKな理由は時間の調整が容易だからだ。月~金曜までフルタイムのものと、週3回を2か所でという場合を見比べてみても時間的余裕ははるかに後者の方があるわけで、こういう形なら働き方を柔軟に調整することができるし、長く続けられるだろう。

小さなお子さんのいる主婦層は長い目でみてあげれば戦力になる

大手コンビニチェーンでは保育所を併設するお店作りに取り組んでいる。人手不足解消の大きな切り札であると積極的な姿勢を見せている。ターゲットは小さなお子さんを持つ主婦層だ。しかし残念ながらすべてのお店に保育所を完備することは不可能だろう。ましてやオーナー店ともなれば難易度は何倍にもなる。

小さいお子さんがいる応募者はどうしても敬遠してしまうオーナーさん、店長さんは多いだろう。その理由はお子さんがいるために勤務時間の融通が利かない、そしてお子さんが病気をしたら休ませざるを得なくなるからだ。それでもいいよと言ってくれるお店は少ないだろう。売上の高い店しか、休みがちな従業員さんを抱える体力はないだろうから。

筆者の店でも配達をやっている。古くから付き合いのあるお客が店に来られなくなり届けるよといって始まったのだが、今では日に5,6件、全部合わせれば1万円位の売上になる。当然午前と午後にそれぞれ40分程度店を空けなければならない。こうした業務があると当日欠勤というのは本当に困るものである。

しかしながら筆者はこういった層の応募者は積極的に採用するようにしている。それは何故か?

色んな意味で昼のパートさんというのは大きな戦力である。予約業務やおすすめ販売などで力を発揮してくれるからだ。特にカウンター内というのは家に例えるなら台所のようなもの。そこをしっかり仕切ってくれるパートさんの存在は店舗運営にはなくてはならない存在だ。そういったパートさんが3人もいてくれればオーナーさん・店長さんも自分の仕事に集中できるだろう。

筆者は小さなお子さんをお持ちのパートさんはその予備軍としての期待を込めて積極的に採用している。面接でも必ず聞かれるのは「実は小さい子供がおりまして急に病気になったりした場合は休めますか?」。

筆者も子育ての経験はある。子供は親の都合などお構いなしに熱を出す。病気をもらってくる(笑)。サラリーマン時代に2週間の海外旅行をする出発日に息子が熱を出した。当日キャンセルのキャンセル料は100%。せっかく貯めたお金、せっかく仕事を残業しながら片づけてのバカンス。批判をいただくかもしれないが連れて行きましたよ。ところが飛行機の中でぐっすり寝て現地についたらピンピンしてる。あれはいったい何だったのか!?今では笑い話になっているがあの時は本当に困ったものだ。

話をもとに戻そう。筆者はその質問に「構いませんよ。」と答える。「やはり代わりを探さないといけないのでしょうか?」そんな問いにも「子供が熱出しているのに代わりを探す電話やメールしなきゃいけないなんて、大変じゃないですか?そんなことしなくていいですよ。こちらで何とかやり繰りしますよ」と答える。応募者は安どの表情になる。そこで筆者は応募者にこう話すようにしている。

「子供はいつまでも子供じゃないですよね。今は手がかかるかもしれないけど3年後、5年後も同じじゃないですよね。ずっとそうなら私も考えますが子供の成長は大人が思っているほど遅くはない。どんどん成長していくんです。成長して留守番が出来たり、親離れしてくれればお母さんの働く日数や時間も増やせます。ウチで働く従業員さんには長く勤めてもらいたい。長く勤めてお店の力になってくれるのであれば、子供が小さい時くらいのサポートは出来る限りしてあげたい。余計なストレスなしに働いてもらいたい。お子さんが大きくなるまでは育成期間だと割り切っていますから問題ありません。私はそう考えているのです。ですからぜひうちのお店で長期で働いてもらいたいのです」

実際に応募してきたときは子供が小学生なので土日はちょっと働けないなんていっていたパートさんも1年たった今、「子供が留守番できるようになったんで土日入れてもらっていいですよ~」なんて言ってくる。そんなものなのである。そんな中で働くお母さんをみて子供たちは高校生になったらお母さんのお店でバイトするって言ってくれたなんて話を聞くとあぁこのやり方は間違えていなかったなぁと実感する。筆者にとって小さいお子さんのいる応募者は金の卵…いやそれ以上の価値があると思っている。

シニア世代の採用は慎重に

シニア世代の採用も人手不足を補う大きな戦力として積極的な採用を推し進めているチェーンもある。人生経験が豊富な点で客商売としてのメリットもあるだろう。しかしその反面、世間を騒がしているのもシニア世代である現実がある。

高齢者ドライバーによる交通事故、全体の犯罪件数は減少傾向にあるものの高齢者の犯罪だけは増えている。ここ10年位前から万引きの犯罪は高齢者が圧倒的に多くなっている。モンスタークレーマーなるものもシニア世代に多いと聞く。

一番厄介なのが現役時代にそれなりの肩書を持った人は扱いづらい。プライドが高い割には加齢により記憶力や仕事を覚えるスピード、作業のスピードはやはり遅い。一緒に働く若い従業員さんがストレスを抱えるといった問題も出てくる。本部が推し進めても二の足を踏む加盟店が多いのはこうした理由だろう。難しい問題である。

筆者の店でも今年73歳なる従業員がいる。とは言っても筆者の実父なのだがやはりスピードが求められるレジには立たせることはできない。しかしながらタバコの検品や補充に発注。ドリンクの補充や清掃など週3回2時間ほど働いてもらっているがいい仕事をしてくれる。その人物にあった仕事を任せれば戦力になる可能性は大いに秘めているだろう。

ただ先ほどのように周囲の理解を得られるかどうかという問題もある。ポイントは現役時代にどんな仕事をしていたかだろう。客商売をしていた人、例えば八百屋さんやっていたとか、居酒屋さんやっていたなんて人はいいだろう。客商売というものがどんなものかわかっているから。

しかし組織の中である程度の役職をやっていたり、デスクワーク中心の仕事、公務員は厳しいかもしれない。プライドが先に来て職場でのいい人間関係を作れるかどうかが疑問だからだ。

いずれにしてもある程度仕事内容を絞って短時間の勤務であれば戦力になるだろう。人物の見極めが大事である。

 

従業員の固定化は顧客を生み出す

人手不足の世の中、年中無休24時間営業というビジネスモデルのコンビニ経営。シフトを埋めるべくついつい条件が合うからだけで採用してしまいがちだが、結局はオーナーさん・店長さんが大変な思いをしてしまう。これでは金と時間の無駄使いで店の財産にはならない。

従業員さんは店の大きな財産である。その第一歩である面接と採用のやり方や考え方をオーナーさん・店長さんがどれだけ固めて臨むかによって結果大きな違いが出てくる。筆者は常に「長期間お店で活躍してほしい」という思いを面接時や採用時にぶつけて来た。おかげさまで15年以上コンビニをやっているが人手に困った経験がほとんどない。10年選手が何人もいる。高校大学と学生時代をずっと筆者の店だけで頑張ってくれた子は沢山いる。店の従業員の顔ぶれが固まると固定客もついて売上も上がってくる。「今日は○○さんお休み?」なんて会話をお客からしてくれる。ありがたい話だ。

もし、アルバイトなんてどうせ辞めるんだから、使い捨てでいいなんて思っているオーナーさん・店長さんがいるのなら人手不足のこれからの時代は大変厳しいものになるだろう。なんやかんやいっても最終的には従業員もお客も「人」。この「人」との関わり合いはいつの時代でも生きていく上では欠かせないものだ。

自分の店の発展を願わないオーナーさん・店長さんはいないはず。理想は働く従業員さんが気持ちよく働いてもらうこと。それが様々な面で好影響をもたらしてくれるのは間違いないところだろう。

人は城、人は石垣。お店の発展には「人」は欠かせない。血の通った採用活動をすることで必ずいい人材に巡り合うだろう。コンビニ店舗数は5万5,000店。これからは他業種を含めて人材の取り合いになるだろう。人手不足の世の中を乗り切るために今回の記事が少しでもお役に立てればと思う。是非チャレンジしてみてください。