こんにちは。コンビニュースドットコム編集長のMageです。発音はそのまま「マゲ」とお読みいただければと。
本サイト初のコラムということで何を書こうかと色々考えていたら、気がつけば一カ月経ってしまいまして(笑)ここらでとにかく最初の記事をということで私のプロフィールを交えながら「ポジティブ」なコンビニオーナーライフを送るために必要なことと題してお送りしようと思います。

コンビニオーナー向けのサイトはネガティブ系が多い

コンビニオーナーにまつわるサイトというのはどうもネガティブなものが多い。まぁその背景には経営の悩みや経済的な悩み、加盟店契約への不満などにつけこんで商売しようという影が見え隠れするものもあれば、元コンビニオーナーさんの恨みつらみ満載のサイトも散見する。その影響もあってかどうもコンビニオーナーの印象というのは「大変そう」「奴隷のように働く」「儲からない」といったネガティブな印象がついてしまっている。これってのはコンビニ業界にとってはマイナス要素です。ただでさえコンビニ業界に関わらず人手不足が叫ばれていますからね、一緒に業界を盛り上げていく仲間を増やすためにもコンビニ業界のいいところをこのサイトでアピールできればなと思っています。

コンビニオーナー歴15年以上やってます

私はコンビニオーナーになって15年以上経ちます。30歳で独立して何か商売をやろうと貯金をして、とうとう30歳になったときに預金通帳と睨めっこしてできる商売が残念ながらコンビニのCタイプしかなった(笑)どうしてもコンビニをやりたかったわけではなかったし、もう何年か待って自己資金を増やしてからでもよかったんですがね、独立ってのは失敗もつきもの。30歳で始めて仮に失敗してもやり直しがきく。これをまた10年先延ばしにして仮に失敗したら、なかなか次の仕事も見つからないだろうし、苦労するのが目に見えていた。それなら予定通り30歳で一歩踏み出そう、そんな気持ちで始めたんです。

オーナーの気力と体力を蝕む「深夜勤務」

開業した時には前の妻と2歳の子供がおりまして、それはそれは大変でした。でもその大変さが妙に私には「生きている」ことを実感させてくれたものでした。30歳、まだ若かったですから長時間勤務なんてヘッチャラ。というか前職がやはり長時間労働の職場でして、朝八時から終電までってのが当たり前でした。
でもさすがに深夜勤務は精神的にやられますね。私の場合は昼間は妻に任せて17時から発注締め切りの11時までのシフト。家に帰って風呂に入って一杯飲んで寝るのが13時。16時に起きて保育園に子供を迎えに行って店に出勤し、子供を妻に引き渡して勤務。こんなのを毎日休みなしで3年くらいやってました。若かったからできたんでしょうね。
ですから4,50代で開業されるオーナーさんが多いかと思いますが、むしろその年齢でコンビニ開業は私にとってはぶっちゃけた言い方で申し訳ないのですが「チャレンジャーだなぁ」と感心します。みなさんそれぞれ、大きな希望とやりがいを求めてこの世界に飛び込んできても一番辛いのが長時間勤務。店内体制が固まり、店が地域に根付くまでは本当に肉体的にも精神的にも大変です。私の場合は30代だからできたんだと思います。今、同じことをやらなきゃならんかったら店、締めますもん。(笑)

一度ネガティブ志向の経営になるとポジティブ志向に戻すのは大変

やはりこういった時期にどうしてもコンビニ経営に対してネガティブな気持ちを持ってしまうオーナーさんは多いようです。こうなってしまうといくら本部と加盟店は共栄共存だといっても志向は本部>加盟店オーナーといった図式で物事を考えてしまいます。これではポジティブなコンビニオーナーライフなど送れません。ネガティブな思考に一度なってしまうとそれをポジティブに戻すには一度針を真ん中までもっていかなきゃならんわけですから大変な気力とパワーが必要になります。では、ポジティブに考えるにはどうしたらいいのか?もちろんオーナーさん一人ひとりの性格は十人十色ですから一概にすべてのオーナーさんに該当するわけではありませんので参考程度にとどめていただいてもよろしいと思います。

「独立事業者」としての自覚を持つ

これまで何人かのネガティブオーナーさんの話を聞いて一番感じることが「独立事業者としての自覚」があまり高くないということです。またよくよく話を聞くと経営が上手くいかないのは本部のせいだという考えが言葉の端々から感じられます。

確かに本部の説明会などでは経営支援をしていきますといわれるでしょうがそれはあくまでハード面。実際の店舗運営は加盟店のオーナーさんの役割ですからソフト面での人材教育であったり、営業費のコントロールであったり、シフトの管理ってのはある意味加盟店契約書の範囲内で自由にやっていいわけです。そのソフト面まで本部が口を出してくるのはあくまでアドバイスですから、最終的な判断はオーナーさんがやらなければならないのです。

しかりながら「独立事業者としての自覚」のないオーナーさんは大体うまくいかないことを本部のせいにします。売り上げが悪ければこんな店を押し付けやがって、人手不足なら本部の社員が手伝ってくれてもいいじゃないか⁉、売り上げが悪いんだから求人広告なんて出せない、本部が責任をもって広告を出すべきだ!なんて声を私は実際にこの耳で聞きました。でも、それは本部の仕事ではありません。店を出店するのは本部ですが、その店で経営することを決めたのオーナーさんですし、売り上げが悪いのは本部のせいではありません。様々な要因があって売り上げが悪いわけですから、まずはそれを受け止めて本部社員の知恵を借りて売り上げ改善の施策を打ち出していくのはオーナーの仕事です。求人に関してもまた詳しく書きますが、広告を出さなくても求人はできます。そこをどうやってやるのかはオーナーさんが考えることであり、本部社員はこれまで担当してきたお店の事例に基づいてアドバイスはしますが、広告費の面倒なんて見ません。

それ以外にもお店を経営していけば様々な問題が起こります。それを解決、改善していいお店にしていくのがオーナーさんの仕事です。これが本部の看板もなくベンチャーで起業している人からみたら、なんてわがまま言っている社長なんて笑われちゃいます。フランチャイズ契約だろうがはたから見れば独立事業者の社長なのです。お店のソフト面だけをみればいい社長なんて楽なもんじゃないでしょうか?独立事業者としての自覚を持っていれば、そう感じるだろうし、むしろその部分に力を注げばいいわけですから集中していい仕事ができるはずなのです。

資金のかかる設備投資などのハード面の心配を知る必要はないわけですから、資金繰りはオープンアカウントや自動融資といった部分だけ見ていればいい。資金面を考えても余程ヘタを打たん限りは潰れませんから、独立事業者としての自覚を持つには障害になるという意見もあろうかと思います。その背景にはどうしても本部>加盟店オーナーの式が頭から抜けていないことにあるのです。その時点で独立事業者としての自覚に欠けていると言わざるを得ません。

その自覚をしっかり持っているオーナーさんは店舗経営に集中し、店で生じる様々な問題点に取り組み、改善しストアロイヤリティを高め、地域に信用されるお店に成長していくのです。これがあるとないとでは同時期に開店し売り上げが同じくらいでも5年後、10年後大きな差がついてしまうのです。

オーナーの主な仕事は「従業員教育」

コンビニの従業員はそのほとんどがパートアルバイトさんで構成されています。私はオーナーの仕事の9割は「教育」だと思っています。とにかく従業員を育てる。育てて店を任せることができればオーナーさんも自分の時間が取れる。自分の時間を取るために私は従業員教育をいているようなものです(笑)特にオープン間もないオーナーさんはオープンアカウントや本部への借金返済を優先するべきではありません。とにかく従業員教育に徹底的に時間を割くべきでしょう。自分の右腕どころか左腕、両足、目や頭脳まで作り上げるくらいの気持ちで従業員教育をすべきだと思います。

オーナーさんご自身が自分の時間や休みを取ることがお店の精神衛生上、一番いいことだと思います。オーナーさんに余裕がなければ従業員さんはそれを敏感に感じ取ります。気が付くと従業員が挨拶しても気づかない、少しのミスでも叱り飛ばしてしまう。オーナーさんがそれでは従業員さんはいい仕事をしてくれません。特に高校生のアルバイトさんにとってみれば、人生で学校や親せき以外に初めて接する「大人」です。大袈裟かもしれませんがその従業員さんにとってオーナーさんの印象がそのまま「大人」の印象になってしまうかもしれません。せっかく社会性を養うためにアルバイトをしているわけですから、そういう意味でも「いい大人」でなければ人はついてきません。

また初めて「仕事」をするわけですからミスもつきものです。ミスについての指導はオーナーさんの育てた従業員さんに任せましょう。オーナーさんは従業員さんのミスを笑い飛ばすくらいの度量が必要です。大事なことはなぜミスが発生したのか?そのミスでどんなことが起こるのか?お客さんに迷惑がかかるのか?働く仲間に迷惑がかかるのか?そして再発しないためにどうすればいいのか?これだけ説明すればいいのです。あとはオーナーさんが育てた従業員さんに指導をゆだねればいいのです。

いわゆる「シフトリーダー」的存在を何人作るのか?ポジティブなオーナーライフを過ごすにはこの人数が多ければ多いほどその道が開けてきます。私の店では昼間が二人、夕勤が二人、深夜が二人。それ以外に店長がいます。これだけのリーダー的存在を作っておけば人員不足の時も大けがせずにすみます。この「シフトリーダー」とコミュニケーションを密にしておくことが大切なことだと思います。

オーナーさんがどんなお店にしたいのか?接客では負けないお店にするのか?きれいで清潔なお店を目指すのか?とにかく商品の売り込みを徹底するのか?そうした考えをしっかり教え込むこと。オーナーさんのこだわりをしっかり理解させ信頼して任せる。ただし「信頼して仕事を任せても信用してはダメ」です。その仕事ぶりのチェックはオーナーさんがやはりこだわりを持ってみてあげてください。必ず「シフトリーダー」に成長するはずです。

「意識高い系」従業員の悲劇

「意識高い系」。ウィキペディアによると「自分を過剰に演出(いわゆる「大言壮語」)するが中身が伴っていない若者、前向き過ぎて空回りしている若者、インターネットにおいて自分の経歴・人脈を演出し自己アピールを絶やさない人などを意味する俗称である。」そうで。(笑)

私のお店でもそういう従業員さんはいましたね。最近は面接の段階で取りませんけど、過去にはうまく騙されて採用してしまったことがあります。(笑)まぁその従業員さんは口ではオーナーの右腕だとリーダー的な立派なことを言うのですが、行動はレジには入らんし、品出しや整理整頓もいい加減。売り場にいる時間より事務所でタバコ吸っている時間が長い。分からないことを聞いても明確な答えが帰ってこないの困る。こうした苦情が高校生のアルバイトさんから上がってきました。

私自身もその従業員の行動は問題視していましたし、そろそろ手を打つ頃かなと思っていた矢先のことでした。むしろその高校生のアルバイトさんの方が責任感があり、一生懸命やる子でしたから「意識高い系」従業員を「使えないヤツ」と感じていたのでしょう。

私は店をオープンさせた頃から従業員同士、いい仕事をするためならどんどん意見をぶつけてケンカしろ!と言ってきましたし実際にそういう職場でした。おでんの昆布をどこにいれたらいいのか?はんぺんをたくさん入れてしまうとほかの商品が見えなくなるとか、そんな「小さい」ことでも彼らはより良いものを作るために真剣にケンカしていました。そのコンビが仕込んだおでん。それはそれは素晴らしい出来でお客さんも喜んでくれました。仕事上のケンカが絶えないお店でしたが、でもそれで辞めた子は一人もいません。ケンカのあとは事務所で談笑していました。むしろケンカできずにウジウジと愚痴を言っている子の方が長続きしません。

こうした経験のもと私は高校生アルバイトさんに「気が付いたことは思い切って言ってみたら?」とアドバイス。翌日に事件は起きました。片レジが宅急便でふさがりもう一つのレジに長蛇の列。高校生アルバイトさんは大きな声で「レジお願いします!」といっても一向に出てこない意識高い系。堪忍袋の緒がきれた高校生アルバイト君は事務所のドアをガラリと開け、たばこをくゆらせている意識高い系に「たばこ吸っているだけならもう帰っていいですよ!」と一喝。すると顔が真っ赤になって怒り出すかと思ったらそのままうつむいて店を出て行ってしまったそうです。

翌日、意識高い系から退職したいと電話が来ました。理由は「プライドを著しく傷つけられた。もう店でどんな顔して働いたらいいかわからない」と。年下の高校生から一喝されたことがそうとう堪えたようでした。電話の向こうで鼻をすする音、時々震える声が印象的でした。

「意識高い系」経営は自分の首を絞めるだけ

前置きが長くなりました。これは一従業員でしたから経営を揺るがす問題にはなりませんでしたが、オーナーさんがもし「意識高い系」だった場合は話は変わってきます。もしそうなら従業員さんがオーナーさんについてくることは難しいでしょう。いやいやそんなオーナーいないでしょうなんて笑われそうですが、従業員が入ってもすぐに辞めてしまう。オーナーの経営方針をなかなか理解してくれず動いてくれない。従業員に活気がない。そんな現象が起きているならば「ひょっとして…俺、意識高い系⁉」と疑ってみてはどうでしょうか?

例えば、服装身だしなみ。もちろん清潔感や印象は大事です。やみくもに「髪の毛染めるのダメね」なんて言っていませんか?なぜ、それをするのか?きちんと説明していますか?意識高い系は勝手に「髪の毛染めるのダメね」で相手は全てを察し、理解していると思い込んでるんですね。

ミスに対して必要以上に怒っていませんか?ミスは誰にでもあることですしこの仕事を15年以上やっている私でもミスはします。自分の事は棚に上げて…なんて指導をしていませんか?

従業員さんの前でそこにはいない従業員さんの批判をしていませんか?

求めることが大きくてもやっていることを従業員さんに理解させる努力を怠り、客観的にみてオーナーの言っていることとやっていることが違うなと思われたら決して従業員さんはついてきません。意識高い系の場合、残念ながらそれに気づくことすら出来ない。これでは自分で自分の首を絞めているようなものです。これではポジティブなコンビニオーナーライフなど手にすることは不可能でしょう。

一つの規則、一つの作業、一つの仕事にみんな意味があることを教え込む

従業員さんも15人から20人ほどいれば仕事の処理能力や理解度はそれぞれです。当然オーナーとしては個人個人に合わせた教育をしなければなりません。また仕事が上達しない従業員さんについては店全体で情報を共有し、フォローや理解をしてもらう。ここが一番のポイントじゃないかなぁと思うんです。

例えばどうしてもタバコの名前が覚えられない従業員さんはどの店でもいることでしょう。番号で言ってもらえれば助かるのですがそうもいかない。聞きなれないタバコの名前を聞いた途端、頭が真っ白になってグダグダになる光景は何度も見ています。

こうした従業員さんの情報を店全体で共有することで先輩従業員さんがフォローしてくれます。オーナーさん以外の従業員さんが関わることで、同じ苦労をした従業員さんから目からウロコが出るような覚え方を教わったり、オーナーに見られているプレッシャーから解放されることで動きがよくなる従業員さんもいます。

こうして新人従業員さんを店全体で育てる「風土」を作るとオーナーさんはかなり楽になると思います。ここに踏み切れないオーナーさんも結構いるのではないでしょうか?

ただし、オーナーさんがやらなければならないことは一つの規則、一つの作業、一つの仕事にみんな意味があることをしっかり教えておくこと。ここだけはしっかりしなければなりません。

例えば男性従業員さんの染髪。私の店では禁止にしています。その理由をしっかり説明しなければなりません。私は男性が髪の毛を染めていることに快く思わない人は世の中にたくさんいるということ、そして第一印象が悪いがゆえに余程接客で頑張らない限りお客は君に不快感と敵対心を抱いてしまう。そうなると接客中の些細なミスでも許せなくなる心境になってしまう。お店の印象も悪くなるし、それよりもあなたがクレームを受けやすい状況を自分で作ってしまう。そういう状態で楽しく働けると思う?そう説明するとほとんどの従業員さんが理解してくれます。

そうした意思の疎通を図り、すべてにおいてしっかり説明し、理解と納得の上働いてもらうことでお店の風通しは数段よくなります。ここを頑張ればポジティブなコンビニオーナーライフの土台ができあがります。

ダララダと書いてしまいましたが…

最初のコラムということで書きたいことが沢山あってダラダラな記事になってしまいました(苦笑)。このオッサン何が言いたいんだ⁉なんて叱られそうですね。

まとめるとまずはフランチャイズ契約ではあるけど独立事業者としての自覚をしっかり持つこと。店の業績は誰のせいでもなく責任はオーナーさんにあること。だから契約の範囲内で自分のやりたいようにやればいいんです。本部に見張られているなんて疑心暗鬼になっていては独立した意味がないですよね。そして従業員教育がオーナーさんの最も重要な仕事であるということ。必ず自分の考えを伝え、仕事や規則には意味があること、そしてその従業員さんを信頼し任せること。信頼はしても信用はしてはいけません。信頼=信用では必ず行き違いや誤解が生じます。必ず信頼して任せた仕事はオーナーさんがチェックしましょう。良かったところ、悪かったところを一緒に検証するのです。それを積み重ねることで従業員さんは強力な戦力に成長するでしょう。そうした従業員さんをたくさん作り上げることができれば、お店を任せることもできます。ここがポジティブなコンビニオーナーライフの第一歩です。まずはオーナーさんの心構えや授業員さんとの温度差を再確認することから始めてはどうでしょうか?

 

 

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